「お金」崩壊 2008 5 11
書名 「お金」崩壊
著者 青木秀和 集英社新書
無頓着である。
今では、多くの人が勤労者になって、
毎月、決まった日に給料が振り込まれるので、
「そもそも、お金とは何か」について、無頓着になってしまった。
まるで、籠の中の鳥のように。
今でも、時々、思い出す。
あれは、私が小学校の時か、中学校の時か。
友達の家では、旅行やマイカーなど、楽しそうなのに、
自分の家では、節約、来る日も来る日も節約。
「どうしてか」と聞く私に、
「いつも、1000万円の現金(余裕資金)を持っていなければならない」と、父が言う。
「なぜ」と聞く私に、「自営業ならば、当然だ」と、父が答えた。
ある年、不運にも、本当に父には何も責任はないのに、
1年間、収入がゼロになってしまう事態となった。
私は、「ああ、これで、うちも貧乏になってしまう」と思った。
しかし、生活は、何も変わらなかった。
あの時の1000万円が、我が家の家計を守ってくれたのです。
さて、この本は、お金の話から始まって、お金から見た歴史論、
さらに地球環境の話まで、論点が広がっていくところに、
最後まで読者を飽きさせることなく読める展開となっています。
最後に、この本から、おもしろい視点を引用します。
(以下、引用)
B52という有名な戦略爆撃機は、一時間当たり3000ガロンも石油を消費する。
エイブラムス戦車は、アイドリングだけで毎時12ガロンも消費してしまう。
要するに、いくら(アル・ゴア氏が言う)「自宅で取り組む排出削減」努力をしても、
こうした戦争兵器のエンジンを一発掛けただけで、無意味に等しくなってしまう。
(以上、引用)
今年(2008年)、開催されるサミットで、
戦争兵器の省エネルギーは、話題になるのでしょうか。
さすがに、省エネルギー大国の日本でも、
兵器には、省エネルギーモードは、ついていないのでしょう。
石油を浪費する兵器は、地球に対して非人道兵器として、
国際条約で、所持することも、使用することも禁止する。
家庭レベルで、企業レベルで、必死に省エネルギーに取り組んでも、
戦争兵器のエンジンを一発掛けただけで、無意味になってしまうからです。
世界に、地球環境保護を訴えるならば、
こうした問題にも、真剣に取り組まなければ、偽善者になってしまうでしょう。
聖書には、こうあります。
「剣を持つ者は剣で滅びる」
さて、兵器にも省エネルギーを義務付けとなると、
軍事的に、日本が有利になるかもしれません。
日本は、省エネルギーで、なおかつ強力な兵器を作り出すことが可能です。
最終兵器 2008 5 10
高騰する原油価格。
そんな話を聞けば、とかく悲観的になりがちな日本人は、
意気消沈するかもしれません。
しかし、原油高が、日本の最終兵器になるかもしれません。
現代において、最強兵器は核兵器でしょうが、
それ以上に強力な兵器があるのです。
高騰する原油価格が、日本以外の国を破壊するでしょう。
1バレル200ドル時代を生き残れる国は、日本しかないのです。
しかし、「産油国は有利ではないか」という意見があるでしょう。
それは、下記の「ソ連 2004 4 16」を読んでください。
石油に代わる究極のエネルギー。
それを止めているのは、権威主義に陥っている日本の科学界です。
ソ連 USSR 2004 4 16
ソ連にとって、アフガニスタン侵攻の失敗は、
結果的には、致命傷となりました。
さて、ここで、歴史的な背景を点検しましょう。
ソ連は、石油危機による石油価格の高騰によって、
多額の外貨を獲得することになりました。
しかし、これが、ソ連の「命取り」になるのです。
石油や天然ガスの輸出によって、
安易に、外貨を獲得できることに安住してしまったのです。
当時、ソ連のライバルであった資本主義国は、どうだったのか。
資本主義国は、「技術革新」と「経済改革」に努力していたのです。
一方のソ連は、石油などで外貨を獲得しつつ、
それに安住して、「経済改革」や「技術革新」が遅れてしまい、
結果的には、経済の「軍事産業」への依存度は高いものとなってしまいました。
これが、ソ連崩壊につながるのです。
「安住」
向上心をなくして、その状態に満足してしまうこと。